SSブログ

走れ!タカハシ/村上龍 [Tennis Books]

【村上龍さんの短編集「走れ!タカハシ」テニスボーイが登場します】
01.jpg
あとがきに「広島カープの高橋慶彦遊撃手は、ファーストベースにヘッドスライディングしてもそれが様になる日本での珍しいプロ野球選手である。」と龍さんが書いているように、ファンである高橋慶彦が盗塁し、ホームランを打つシーンなどと、男女の話をからめて、11の短編で編集されています。
サブタイトルも【ヨシヒコが走るとき、何かが始まり何かが終わる。広島カープ高橋慶彦遊撃手の輝ける肉体を軸に、野球を楽しむ普通の人々を配した11のエピソード】どれも「下ネタ」でクライマックスに「走れ!タカハシ」と叫ぶシーンがあり、笑えます。

【落ちぶれたテニスボーイが、ヨシヒコに負けちゃう話】
02.jpg
テニス好きの龍さんですからこの手のショートストーリーにはテニスの話題がひとつあっても不思議なし。パート5では、全日本ランキングで9位までいった立教のハヤシ君、はタロッチー・テルシャー組から田園でセットを取ったことがある21才。今は48位まで下がっているがジュニアの頃はビランデルとタイブレークにもつれる試合もした。ハヤシ君のガールフレンド(ミツコ)が宮崎の大金持ちで、彼女誘いで宮崎に行く。気の早いミツコの父は既にプロにはなれないハヤシ君の為に24面のハードコートを持つテニスクラブを建設中。運転手付きのリンカーンで宮崎空港に迎えに来てくれたミツコの両親と一緒に建築現場に行くと、既に出来上がっているセンターコートで、春季キャンプを張る広島カープの選手たちがトレーニングとしてテニスをしているという設定(むちゃくちゃな話ですが「11の短編」全てがこんなストーリーです)。そこで、お金持ちのお父さんに「君はサーブが強いんだろ、そのサーブをヨシヒコ君がうまくリターンできるか賭けよう。もし君が勝ったら、プロになれるよう応援しよう」と云われ、お手合わせに。ヨシヒコさんは「サーブをリターンして、そのあともう1球返せたらボクの勝ちっていう勝負にしよう」と提案しコートへ。
注目の1ポイント目、日本のトッププロでの返せないスライスサーブがワイドに入る。それをヨシヒコさんが審議らしく素早い反応で返球するがドチャンスボール。ハヤシ君もすかさずネット際からオープンコートにトップスピンでエースを狙ったが、ここでミツコが「走れ!タカハシ」と叫ぶ。するとヘッドスライディングのような体制でヨシヒコさんがダウン・ザ・ラインにパスを!…。
こんなお話です。だまされたと思って古本屋さんに行ってみてください。

NOBUの営業日、営業時間などは下記からご確認下さい。
NOBU Store Hours:http://tennisfactory.co.jp/info/info.html